暗号資産決済の返金は、通常、元の支払いを取り消す操作ではなく、新たな送金です。 送金する前に顧客の依頼を検証し、対象の資産とネットワークに対応した受取アドレスを確認し、金額に合意してください。また、最初の返金が処理中の間に二度目の返金が行われないようにします。
このチェックリストは、自ら管理する資金で返金を行う事業者を対象としています。決済事業者が管理する返金では、送金先や承認に異なるルールが適用される場合があります。そのルールを回避せず、事業者が文書で定めた手順に従ってください。以下は業務運用上の推奨事項であり、Yolfiに自動返金機能があるという説明ではありません。消費者の権利、税務上の扱い、必須の返金条件は、適用される法域によって異なります。
返金の判断と送金を分ける
まず、販売条件と適用法に基づいて返金すべきかを判断します。その後、安全に返金する方法を決めます。取り消せない決済手段であるというだけで、顧客の法的権利や事業者の契約上の義務がなくなるわけではありません。
依頼を元の注文、決済参照番号、確認済みの入金取引に紐づけます。理由、返金可能額、承認内容を記録してください。元の支払いがまだ確定していない場合は、受領を確認できていない資金を返すのではなく、依頼を未完了のまま維持します。
金額が一致しない場合は、まず不足入金・過払いの対応ガイドを確認してください。超過分の返金と購入全体のキャンセルは、別の業務上の判断です。
送信元アドレスをそのまま使わない
ブロックチェーンエクスプローラーに表示されるアドレスは、顧客が管理する受取用ウォレットではなく、取引所や決済仲介事業者のものである可能性があります。そこへ送り返しても、顧客の口座に入金が反映されるとは限りません。
Circleのステーブルコイン返金ドキュメントは、取引所が複数の顧客の資金をまとめて管理する共用ウォレットから送金する場合があると注意を促し、希望する送金先を顧客に確認することを推奨しています。これは送金先のリスクを示す根拠であって、Yolfiの機能の説明でも、決済事業者の返金ルールを一律に無視してよいという許可でもありません。
事業者が自ら送金して返金する場合は、本人確認が済んだ顧客に受取方法を尋ねてください。送金先が、指定のネットワークで指定の資産を受け取れることを確認し、必要なメモやタグも確認します。取引所への入金であれば、顧客に最新の入金手順、最低入金額、第三者からの入金に関する制限を確認してもらいます。アドレスの形式が正しく見えることは、口座の所有者や入金反映の対象であることの証明にはなりません。
アドレスの変更には、新たな承認を必要とするようにしてください。変更を求めたメッセージだけでなく、既存の顧客アカウントや、以前から信頼している別の連絡経路で確認します。秘密鍵やリカバリーフレーズを求めてはいけません。取引のメモに顧客情報を公開しないでください。
| 状況 | 安全な次の対応 | 思い込んではいけないこと |
|---|---|---|
| 顧客が個人のウォレットから支払った | 本人確認済みの注文連絡経路で受取アドレス、資産、ネットワークを確認する | 元のアドレスが今も希望する受取先であること |
| 顧客が取引所から支払った | 最新の入金手順を取得し、この返金を取引所が顧客の口座に反映できるか確認する | 出金元アドレスが個人用の入金アドレスであること |
| 顧客が別のネットワークを希望した | 処理を止め、送金への対応可否と手数料を別途確認する | アドレス形式が同じならネットワークを入れ替えられること |
| 別の人物が返金を求めた | 送金先を承認する前に、注文に照らして権限を確認する | 公開された取引ハッシュを知っていることが本人の証明になること |
送金先の確認には、ネットワーク間違いを防ぐ決済ガイドを活用してください。問い合わせを解決済みにするためだけに、未対応のネットワークへ返金してはいけません。
顧客が受け取る金額に合意する
返金を約束する際は、金額の単位を明示する必要があります。元のトークン数量を返すのか、請求通貨に基づいて算定した金額を返すのかを示してください。換算が必要な場合は、送金承認の前に、評価に用いる情報源と時点に合意します。ステーブルコインがドルへの連動を目指していても、市場価格が一定であることや、償還できることを保証するものではありません。
ネットワーク手数料や、法律上認められる控除を誰が負担するかも明示してください。トークンの全額返金を約束した後で、無断で手数料を差し引いてはいけません。Ethereumの取引では、ネットワーク手数料をETHで支払います。USDCが十分にあっても、自己管理の送信用ウォレットにガス代を支払うETHが十分にあるとは限りません。他のネットワークや、手数料を第三者が負担するウォレットの仕組みでは、要件が異なります。
返金額と、送金を実行するために支払う手数料は分けて管理します。決済事業者が返金を処理する場合は、元の決済処理手数料も戻ると決めつけず、実際の返金・手数料ポリシーを確認してください。
管理を徹底した6段階の返金手順を使う
1. 元の入金と残りの返金可能額を確認する
注文と、実際に入金された資産、ネットワーク、受取先、金額を照合します。過去に完了した返金と、処理中の返金のために確保済みの資金を確認してください。返金済みの金額と確保済みの金額の合計が、承認された返金可能額を超えてはいけません。業務記録へのアクセスを制限し、必要な顧客情報だけを保管します。
2. 送金先と取引条件を確認する
検証済みの受取手順、合意金額、手数料の扱い、顧客の確認内容を保存します。誰がいつ送金先を確認したかを記録してください。運用上可能であれば、リスクの高い返金や変更されたアドレスについては、別の担当者による再確認を必須にします。これは業務上の管理策であり、法律で求められる確認の代わりにはなりません。
3. 送金前に返金記録を1件作成する
注文に紐づく一意の内部参照番号を返金に付与します。金額を確保し、記録を実行承認済みの状態にします。同じ承認済み返金について、別の担当者が二度目の送金を作成できないようにしてください。決済事業者のAPIを使う場合は、文書に記載された重複リクエスト防止機能を確認します。ローカルで参照番号を付けるだけでは、API呼び出しの冪等性は保証されません。
4. 送金を確認して承認する
署名画面で、送金先、ネットワーク、資産識別子、正確な数量を再確認します。手数料用の残高と、必要なメモやタグも確認してください。自己管理で送金する場合、一部の状況では少額のテスト送金が役立つこともありますが、本人確認にはならず、取引所の最低入金額を下回るおそれもあります。テストの実施とその会計処理は顧客と合意してください。あらゆる場合に必要な手順ではありません。
5. 再試行する前に既存の送金を追跡する
取引ハッシュまたは決済事業者の送金参照番号を、すぐに保存します。タイムアウトは資金が動いていない証拠ではありません。別の送金を送信する前に、既存の試行とネットワーク上の状態を調べてください。取引が保留中なら、無関係な二度目の支払いを行うのではなく、ウォレットや決済事業者が定める手順でその取引を調査します。
6. 証拠を検証してから完了にする
定めた確定基準に従って、該当する送金とその送金先、金額、ネットワークを確認します。決済事業者や取引所が関わる場合は、ブロックチェーン上での送達、事業者側の処理完了、顧客口座への入金反映を区別してください。顧客との連絡経路で参照番号を共有し、未解決の入金反映の問題は引き続き追跡できる状態にします。依頼を送信したことは、返金の完了を意味しません。
簡潔な返金記録を残す
自社システムやアクセスを管理した台帳に、以下の項目を記録してください。Yolfi APIのスキーマを提案するものではありません。
- 元の注文と決済の参照番号、および検証済みの入金取引。
- 返金参照番号、理由、承認金額、過去または処理中の返金。
- 資産識別子、ネットワーク、送金先、必要なメモやタグ。
- 送金先の確認、金額の合意、承認者、タイムスタンプ。
- 実行参照番号、実際の送金額、ネットワーク手数料とその支払い資産。
- 状態、確定を示す証拠、未解決の顧客口座への入金反映の問題。
返金による出金を、日次照合チェックリストに組み込みます。返金は売上に紐づく別の出金であり、元の入金記録を消す理由にはなりません。返金額と送金費用の両方を説明できるよう、手数料は分けて記録してください。
Yolfiの位置づけ
Yolfiの決済リンクページでは、決済の追跡と、事業者のウォレットへ資金が直接届く仕組みを説明しています。直接受領するからこそ、返金の送金を誰が承認し、署名できるのかを定めることが特に重要です。
返金の受け付けを始める前に、現在のYolfiの構成とウォレットが実際に何に対応しているかを確認してください。決済リンクのページから、返金ボタン、返金API、送金先の自動検証、取引所への入金反映保証があると推測してはいけません。返金ポリシーを支払い手順と一緒に提示し、決済事業者が返金を管理している場合は、その事業者が文書で定めた方法を使ってください。
よくある質問
確定した暗号資産の支払いは、そのまま取り消せますか?
確定済みの送金を、事業者が取り消せるものとして扱わないでください。事業者自身が行う返金には、通常、別途承認された送金が必要です。決済事業者が管理する返金は、その事業者の手順に従います。
必ず元の送信元アドレスに返金すべきですか?
いいえ。そのアドレスは取引所の共用ウォレットかもしれません。決済事業者の送金先ルールに従ってください。事業者が自ら送金する場合は、送金前に本人確認済みの顧客連絡経路で受取手順を確認します。
手数料の安いネットワークでUSDCを返金してもよいですか?
安いという理由だけではいけません。顧客がそのネットワークでその資産を受け取れること、利用する方法が送金に対応していること、変更に明示的に合意して記録していることが必要です。ティッカーシンボルが同じでも、資産や送金先が同一だと思い込まないでください。
顧客が返金を受け取っていないと言ったら、どうすればよいですか?
まず既存の送金について、ネットワーク、資産、送金先、メモやタグ、確定状況、決済事業者側の状態を確認します。取引所が入金反映を調査する際に、取引参照番号が必要になる場合があります。メッセージやAPI応答が遅れただけで、二度目の返金を送らないでください。
返金も売上と同じように追跡可能にする
安全な返金には、本人確認済みの依頼、承認された金額、検証済みの送金先、そして一度だけの追跡可能な実行が必要です。最初の決済リンクを共有する前に、これらのルールを定めてください。その後は元の入金記録と返金記録を一緒に保管し、顧客対応担当と経理担当の双方が経緯を説明できるようにします。
